「プロパンガスの無償貸与って、もう禁止されたの?」
「昔、給湯器を無料で付けてもらったけど、あれって大丈夫なの?」
「中古住宅を買うとき、プロパンガスの契約で気をつけることはある?」
田舎の中古住宅や戸建てを購入するとき、意外と見落としやすいのがプロパンガスの無償貸与契約です。
わたし自身、初めて田舎の中古住宅を購入したとき、不動産屋に言われるままガス会社を決めてしまい、あとから「無料」の意味を思い知ることになりました。
結論から言うと、プロパンガスの無償貸与は、2024年以降の制度改正でかなり厳しく規制されるようになっています。ただし、過去に結んだ契約がすぐに全部なかったことになるわけではありません。
この記事では、プロパンガスの無償貸与とは何か、何が禁止されたのか、中古住宅を買う人がどこを確認すべきかをまとめます。

ご主人の痛すぎる失敗談と一緒に、わかりやすくお伝えするっす🐾
【結論】プロパンガスの無償貸与は、2024年から規制が強化されています
まず結論です。
プロパンガスの無償貸与は、以前のように「無料で給湯器や配管を設置して、その分をガス料金で回収する」というやり方が問題視され、2024年以降の制度改正で大きく規制されました。
経済産業省は2024年7月2日、LPガスの商慣行を是正するための新たな規律を施行しました。これにより、LPガス事業者が不動産・建設関係者などに対して、設備貸与や紹介料などの形で過大な利益供与を行うことなどが禁止されています。
また、2025年4月2日からは、LPガス料金を「基本料金」「従量料金」「設備料金」に分けて表示する三部料金制の徹底なども始まっています。
ただし注意したいのは、昔に結んだ無償貸与契約が、自動的に全部消えるわけではないという点です。
すでに契約している人、中古住宅を買う人、売却を考えている人は、契約書の中身を必ず確認した方がいいです。
体験談|不動産屋に任せた結果、無償貸与で縛られた話
ここからは、わたし自身の体験談です。
結論から言うと、「無料」という言葉を信じて契約した結果、長期間縛られることになりました。
不動産屋に言われるままガス会社を決めてしまった
初めて都市ガスからプロパンガスに変わる物件(山奥ハウス)に住むことになったときのことです。
プロパンガスの料金や仕組みをまったく知らなかったわたしは、

古いガス器具も新しく設置しなおせますし、無料でやってもらえますよ。
という、甘い言葉に「無料ならありがたい」と思い、そのまま紹介された業者にお願いすることにしました。
契約書を見て初めて気づいた“無料のカラクリ”
引っ越し後、ガス会社が持ってきた契約書を確認すると、そこにはこう書かれていました。
十数万円の器具代金が記載され、15年以内に退去した場合は、残り期間に応じた支払いが発生する
「あれ?無料じゃないの?」と疑問に思い、その場で確認しました。

あぁ、それは、ガス会社が交代するときに次の会社が払うから、お客さんは払わなくていいんですよ!
そう説明され、不安はありつつも、そのまま契約してしまいました。
口約束の「払わなくていい」は成立しなかった
数年後、引っ越しを検討した際にガス会社へ電話で問い合わせてみました。

次の家主と三社で契約を引き継ぐか、残りの費用を支払っていただく必要があります。

えっ、あの~、契約時には払わなくていいと聞いたのですけれど…

契約書の通りになります。
口約束の話をしても、「契約書通りです」この一点張りでした。
結果として、解約にはまとまった費用がかかる状態になり、そのまま使い続けるしかなくなりました。
今もその契約は続いており、売却する場合も「買主に引き継いでもらう」か「解約して精算する」かを考えなければならない、かなり縛られた状態です。

「ただより高いものはない」って言葉もあるっす。ご主人、授業料が高くついたっすね…🐾
そもそもプロパンガスの無償貸与とは?
プロパンガスの無償貸与とは、ガス会社が給湯器、ガスコンロ、配管などを「無料」で設置する代わりに、その費用をガス料金の中で回収していく仕組みです。
表向きは無料に見えますが、実際には、
- 毎月のガス料金に設備費用が上乗せされる
- 途中解約すると残債を請求される
- ガス会社を変えにくくなる
- 売却や退去のときに契約の引き継ぎ問題が出る
というリスクがあります。
特に田舎の中古住宅では、「前の住人が使っていたガス会社をそのまま引き継ぐ」「不動産屋に紹介された会社をそのまま使う」という流れになりやすいです。
そのときに契約書を確認せず進めると、あとから身動きが取りにくくなることがあります。
なぜ無償貸与が問題になったのか
無償貸与が問題になった理由は、消費者から見ると料金の仕組みがわかりにくく、ガス会社を自由に選びにくくなるからです。
たとえば、給湯器や配管を無料で付けてもらったように見えても、実際にはその費用がガス料金に含まれていることがあります。
すると、毎月の単価が高くなっていても、消費者は「田舎だからこんなものか」と思って払い続けてしまいます。
さらに、途中でガス会社を変えようとすると、
- 残債を請求される
- 次のガス会社に負担してもらう必要がある
- 契約を引き継ぐ相手を探す必要がある
といった問題が出てきます。
つまり、無償貸与は「無料で助かる仕組み」に見えて、実際にはガス会社を変えにくくする縛りになることがあるのです。
2024年・2025年の制度改正で何が変わった?
プロパンガスの無償貸与をめぐるルールは、2024年から段階的に変わっています。
2024年7月2日|過大な営業行為の制限
2024年7月2日から、LPガス事業者が不動産会社や建設業者などに対して、設備貸与や紹介料などの形で過大な利益供与を行うことが禁止されています。
また、消費者がLPガス事業者を選ぶときの妨げになるような、切り替えを制限する条件付き契約も禁止の対象になっています。

つまり、「無料で付けますよ」と言いながら、あとで高いガス代や違約金で回収するようなやり方はダメですよ、というルールっすね🐾
2025年4月2日|三部料金制の徹底
2025年4月2日からは、LPガス料金を、
- 基本料金
- 従量料金
- 設備料金
に分けて表示するルールが強化されています。
また、電気エアコンやWi-Fi機器など、LPガスの消費と関係ない設備費用をLPガス料金に上乗せすることも禁止されています。
賃貸住宅向けのLPガス料金では、ガス器具などの消費設備費用についても、新規契約では料金に計上できないルールになっています。

つまり、「ガス代です」と言いながら、関係ない設備代までこっそり入れるのはダメになったってことっすね🐾
制度はかなり改善されていますが、だからといって安心しきるのは危険です。中古住宅や過去の契約では、古い契約が残っている可能性があります。
参考:経済産業省「LPガスの商慣行を是正するための新たな規律」
参考:経済産業省「LPガス料金の表示・計上方法に関する新しいルールの概要」
中古住宅を買う前に確認すべきポイント
田舎の中古住宅を買うなら、プロパンガスの契約は必ず確認しておきたい項目です。
特に、次の5つは不動産屋や売主に聞いておいた方がいいです。
① 給湯器・ガスコンロ・配管は誰の所有か
まず確認したいのは、給湯器やガスコンロ、配管が誰の所有物なのかです。
売主のものなのか、ガス会社のものなのかで、あとからの自由度が変わります。
② 無償貸与契約が残っていないか
「無料で設置された設備」がある場合、無償貸与契約が残っている可能性があります。
契約書があるなら、残り期間や解約時の精算条件を確認してください。
③ 途中解約時の残債はいくらか
ガス会社を変えたいと思っても、解約時に残債があると、すぐには動けないことがあります。
「残債はいくらか」「誰が払うのか」は、購入前に確認しておきたいポイントです。
④ 買主に契約引き継ぎが必要か
中古住宅では、売主が結んだ契約を買主に引き継がせる形になることがあります。
その場合、買主側から見ると、知らないうちに縛り契約を引き継ぐことになりかねません。
⑤ 今のガス料金はいくらか
最後に、今の基本料金と従量料金も確認しましょう。
無償貸与の影響で、ガス料金が高めに設定されていることがあります。
もし料金が高いと感じたら、契約前に別のガス会社や紹介サービスで相場を確認しておくと安心です。
無償貸与で失敗しないためのチェックリスト
物件購入前やガス契約前には、最低限これだけ確認しておくと安心です。
- 「無料設置」と言われた設備の所有者を確認する
- 契約期間が何年か確認する
- 途中解約時の残債を確認する
- 売却時に買主へ引き継ぎが必要か確認する
- 基本料金と従量料金を確認する
- 契約書を持ち帰ってから読む
- 不動産屋の紹介をそのまま受け入れない
特に大事なのは、その場でサインしないことです。
「無料だから大丈夫」と思っても、契約書には残債や契約期間が書かれていることがあります。
少しでも不安があれば、契約前に確認してください。

不動産屋さんが悪意を持っているとは限りません。でも、プロパンガス契約の細かいところまで説明してくれるとは限りません。最後に困るのは契約した本人です。
すでに無償貸与契約を結んでいる場合はどうする?
すでに無償貸与契約を結んでいる場合は、まず契約書を確認してください。
見るべきポイントは、次の3つです。
- 契約期間
- 設備代金の総額
- 途中解約時の残債計算
残債が少なければ、ガス会社を見直した方が得になる可能性もあります。
逆に、残債が大きい場合は、すぐに切り替えるよりも、まず今の契約内容を整理する方が先です。
また、2024年以降の制度改正に関係するような不自然な営業行為や、説明不足があったと感じる場合は、資源エネルギー庁のLPガス商慣行通報フォームなどの窓口を確認してもよいと思います。
参考:経済産業省「LPガス商慣行通報フォーム」案内を含むニュースリリース
プロパンガスの見直しは、契約の縛りも含めて考える
プロパンガス代を安くしたいと思ったとき、単純に「安いガス会社に変えればいい」と考えがちです。
でも、無償貸与契約が残っている場合は、話が少し複雑になります。
確認すべきなのは、次の順番です。
- 今の契約書を確認する
- 設備代金や残債があるか見る
- 今の料金単価を確認する
- 紹介サービスなどで適正価格を確認する
- 残債を払っても得かどうか判断する
わたしのように、契約書をよく読まずに進めると、あとから動きにくくなります。
特に中古住宅を買う人は、物件価格やリフォーム費用だけでなく、プロパンガス契約も固定費の一部として見ておくべきです。
\ まずは自分の地域の適正価格を確認 /
【まとめ】プロパンガスの「無料」は、契約書を見てから信じる
プロパンガスの無償貸与は、一見すると「無料で給湯器や配管を設置してもらえるありがたい仕組み」に見えます。
でも、実際には、ガス料金に設備費が含まれていたり、途中解約時に残債が発生したり、ガス会社を変えにくくなったりすることがあります。
2024年以降、こうした商慣行への規制はかなり強化されました。それでも、過去の契約や中古住宅の引き継ぎでは、まだ注意が必要です。
わたし自身、「無料」という言葉を信じて契約し、あとから身動きが取りにくくなりました。
同じ失敗をしないために、次の3つだけは覚えておいてください。
- 不動産屋の紹介をそのまま受け入れない
- 「無料設置」の契約書は必ず読む
- ガス料金と残債の両方を確認する
プロパンガスは、契約をきちんと確認すれば、必要以上に高い料金を払い続けるリスクを減らせます。
物件購入前でも、購入後でも、まずは今の契約と料金を確認するところから始めてみてください。

「無料です」より「契約書どうなってますか?」が大事っす🐾
あわせて読みたい:
田舎のプロパンガス代を年間10万円下げた方法——失敗しない会社の選び方【移住4回の実録】
