「田舎の古民家って、安く買えば得なのでは?」
「300万円くらいの中古住宅なら、失敗しても何とかなる?」
「ぼろ戸建てを直して住んだら、不動産投資みたいになるのかな?」
田舎移住を考えていると、安い中古住宅や古民家に心を惹かれることがあります。
わたしも実際に、田舎の築50年ほどの古い平屋を約340万円で購入しました。(なお、身バレ防止のため、物件価格や売却価格は一部ぼかしています。収支のイメージとして読んでください。)
正確には、立派な古民家というより、築50年の古い中古戸建て・ぼろ戸建てに近い家です。ただ、田舎移住でイメージされる「古民家暮らし」にはかなり近い物件でした。
その家に約100万円をかけて修繕し、最終的には約600万円で売却しました。
数字だけ見ると、
- 購入価格:約340万円
- 修繕費:約100万円
- 売却価格:約600万円
- 単純計算:約160万円のプラス
となります。
でも、正直に言うと、「儲かった」とは言い切れません。
もともとは不動産投資をしたかったわけではなく、本気で移住するつもりで買った家です。
結果的に売却でプラスになっただけで、移住としては失敗でした。
この記事では、田舎のぼろ戸建てを約340万円で買い、約100万円かけて直し、約600万円で売れた実体験をもとに、安い中古住宅を買う前に考えておきたい「修繕費」と「出口」の話をまとめます。

結果としてお金だけ見ればプラスの不動産投資。でも暮らしとしては撤退っす🐾
約340万円で買った田舎の古い平屋
購入したのは、築50年ほどの平屋住宅です。
増築されていて部屋数は多く、周囲は広い農地に囲まれていました。
価格は約340万円。
田舎の中古住宅としては、かなり安い部類だと思います。
購入経路は、一般的な不動産業者経由ではありませんでした。
高齢者の方が住んでいた家を相続した親族が、市の移住支援係に売却を依頼していた物件で、不動産業者を通さない形で購入しました。
地域は、JAと地域住民が農地をきちんと管理している農村部。
自治会が土地を大企業に貸すことで利益があり、、経済的には比較的しっかりしている印象でした。
ただし、外から来た人間に対しては、少し距離を感じる面もありました。

「郷に入れば郷に従え」とありますが、入っても良さそうな郷かどうか、物件購入と同時にできるだけリサーチしておくのが肝心ですね。
あわせて読みたい:
田舎の中古住宅、どうやって探す?4回購入して学んだ物件探しのコツ
引き渡し時の状態|安い家は「買って終わり」ではありません
春に購入し、数か月かけて、家を整えてから、夏に引っ越しました。
引き渡し時の状態は、正直なところかなり大変でした。
- 畳の交換が必要
- 古い土壁がボロボロ
- 壁にひび割れが多い
- トイレが古すぎて使用が難しい
- 水道メーターが壊れていた
- 鍵が何か所か紛失していた
- 窓ガラスにひびが入っている箇所があった
- アリが侵入し、行列を作ることもあった
結果的に、トイレ、畳、壁まわり、鍵、ガラス、水道関係など、生活するために必要な修繕を行いました。
修繕費は約100万円。
つまり、340万円で買った家でしたが、住める状態にするまでを含めると、実質約440万円の物件だったわけですね。
古い家を購入する時は、買ったあとに住める状態へ持っていく費用も計算が必要だと学びました。

築50年なので、ある程度は覚悟していましたが、特に畳まわりは、作業中に舞い上がる埃、降り積もってこびりついた汚れがすさまじく、実際に見ると「うわあ……」となりましたね。
手放した理由は、家のボロさではありませんでした
この家を手放すことになった理由は、家のボロさそのものではありません。
問題は、周囲の環境でした。
家は農地に囲まれていて、春になると農作業が本格的に始まります。
そこで、農薬や粉塵の問題が出てきました。
わたし自身は鼻水が出る程度でしたが、妻はアトピーとアレルギーがあり、この環境が合いませんでした。
この話を詳しく書くと長くなるので、農薬・粉塵で1年撤退した経緯は、こちらの記事にまとめています。
あわせて読みたい:
田舎移住で農薬アレルギーが出た話|農地に囲まれた古民家で1年撤退した理由
ここで伝えたいのは、田舎の中古住宅は、家の状態だけ見ても判断できないということです。
価格、間取り、築年数、リフォーム費。
もちろん大事です。
でも、実際に住み続けられるかどうかは、周囲の環境や体質との相性にも大きく左右されます。
📝農地に囲まれた物件は、春の様子も確認した方がいいです。
冬に内見したときは静かで良い場所に見えても、春になると農作業・粉塵・農薬散布で環境が大きく変わることがあります。
約340万円で買って、約600万円で売却できた
最終的に、この家は売却することにしました。
移住するつもりで買った家でしたが、住み続けるのが難しくなったためです。
売却は、不動産業者に仲介を依頼しました。
その結果、約600万円で売却できました。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 購入価格 | 約340万円 |
| リフォーム・修繕費 | 約100万円 |
| 売却価格 | 約600万円 |
| 単純計算の収支 | 約160万円のプラス |
数字だけ見ると、かなり良い結果に見えます。
340万円で買って、100万円かけて直して、600万円で売れた。
いかにも「ぼろ戸建て投資で成功した話」のように見えるかもしれません。
でも、実際の感覚は違います。
わたしは投資目的でこの家を買ったわけではありません。
本気で移住するつもりでした。
その家に住めなくなり、売ることになった。
結果的にお金の計算ではプラスでしたが、引っ越し費用、掃除や修繕にかかった時間、体力、ストレス、環境が合わなかった精神的な負担まで考えると、手放しで「儲かった」とは言えません。

たまたま損をしなかった…。それが正直な感覚です。もう一回同じことができるか?といわれても、ちょっと気が引けますね(苦笑)
なぜ購入時より高く売れたのか
では、なぜ340万円で買った家が、600万円で売れたのでしょうか。
理由は主に2つあると思います。
- リフォーム・修繕・清掃で、家の状態が良くなっていた
- 複数の不動産業者に売却依頼をして、適正価格が設定できた
購入時の家は、かなり手を入れないと住みにくい状態でした。
でも、畳、トイレ、鍵、窓、水道まわりなどを整えたことで、次に見る人にとっては印象がかなり変わっていたと思います。
もうひとつ大きかったのが、売却時に複数の不動産業者へ仲介を依頼したことです。
購入時は、移住支援係を通した直接取引でした。
一方で、売却時は不動産業者のネットワークに乗り、自分の思い込みや一社だけの意見でなく、地域の相場に合わせた適正な売却価格を設定できたこと、また、多くの買い手に情報を伝えられたことが功を奏したと言えました。
田舎の家は、都会のマンションのように買い手が多いわけではありません。
だからこそ、物件を探している人に届くかどうかで、結果が変わることがあります。
売り方や相談先は、かなり大事だと感じました。

直して売ったから上がった部分もあるけど、ちゃんと買い手に届いたのも大きいっす🐾 田舎の家は売り方も大事っすね。
安い田舎の古民家を買うなら「出口」も考えておく
田舎の中古住宅を買うとき、多くの人は「買うこと」と「住むこと」に意識が向きます。
でも、実際に経験して思うのは、売る可能性もゼロではないということです。
わたしも、最初から売るつもりで買ったわけではありません。
それでも、環境が合わず、売却することになりました。
田舎移住は、思っている以上に生活環境との相性が大きいです。
買ったあとに、
- 体質に合わなかった
- 地域に馴染めなかった
- 修繕費が想定より大きかった
- 光熱費やインフラ費が高かった
- 仕事や家族の事情で住み続けられなくなった
ということもあります。
だからこそ、買う前に「もし売ることになったらどうなるか」も少しだけ考えておくと安心です。
たとえば、
- 極端に売りにくい立地ではないか
- 修繕すれば次の人が住める状態になるか
- 近くに買い手がつきそうな需要があるか
- 売却時に相談できる不動産業者がいるか
こうした視点です。
「売る前提」で買う必要はありません。
ただ、田舎の家は買ったあとに想定外が起きやすいので、出口を完全に無視するのは危ないと思います。
田舎の家を売るなら、相場を知っておくのも大事
もし田舎の中古住宅を手放す可能性があるなら、早めに相場を知っておくことも大切です。
田舎の家は、地域や状態によって評価がかなり変わります。
古いから価値がないとは限りません。
一方で、買った金額より必ず高く売れるわけでもありません。
だからこそ、売却を考えるときは、複数の不動産業者に相談して、相場感をつかむことが重要です。
わたしの場合も、複数の不動産業者に仲介を依頼したことで、適切な値段で、買い手に届きました。
自分だけで判断せず、不動産に詳しいプロに相談することは大事だと思います。複数の業者に一括で査定依頼できるサービスを使うと、相場感をつかみやすいです。
\ 田舎の家を売る前に、まず相場を確認 /
田舎中古住宅で失敗しないために確認したいこと
今回の経験から、田舎の中古住宅を買う前に確認した方がいいと思うことをまとめます。
- 購入価格だけでなく、修繕費込みで考える
- 水道・トイレ・鍵・窓など、生活に直結する部分を確認する
- 農地に囲まれている場合は、春や夏の様子も確認する
- アレルギー体質の家族がいる場合は、粉塵や農薬に注意する
- 不動産業者を通さない取引では、相場感を自分でも調べる
- 地域の雰囲気や、よそ者への距離感も見る
- 将来売る可能性もゼロではないと考えておく
田舎の中古住宅は、安く手に入ることがあります。
でも、安いから簡単というわけではありません。
家を買うというより、暮らし全体を引き受ける感覚が必要です。
その中には、修繕費、地域、環境、光熱費、インフラ、そして将来の売却まで含まれます。
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【まとめ】340万円で買って600万円で売れた。でも移住成功とは言えません
340万円で買った田舎の古い平屋は、約100万円かけて修繕し、最終的に約600万円で売れました。
数字だけなら、約160万円のプラスです。
でも、これは単純な成功談ではありません。
もともとは本気で移住するつもりで買った家でした。
しかし、農薬や粉塵など周囲の環境が合わず、住み続けることが難しくなりました。
たまたま売却で損をしなかっただけです。
だからこそ、田舎の中古住宅を買うときは、価格だけで判断しないでほしいです。
家の状態、修繕費、周辺環境、地域性、体質との相性、そして万が一売ることになったときの出口。
そこまで含めて考えておくと、後悔を減らせます。

お金だけ見ればプラス。でも暮らしとしては撤退っす🐾 安い家ほど、買う前に出口まで考えておくっす。
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