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田舎移住1年で撤退——農薬・粉塵で妻が体調を崩した話

春の農村、きれいな空気のはずが… 移住・田舎暮らし体験

こんにちは、ちくちくです。

前回の記事では、田舎の中古戸建てを4軒買った話を書きました。→田舎移住で後悔したくない人へ。4軒分の失敗、全部話します【実体験あり】 | ぶっちゃけブログ

今回はその中の3軒目、岐阜県の農村部への移住が1年で終わった理由を詳しく書いていきます。

原因は「農薬と粉塵」でした。移住前には全く想定していなかった問題です。

アレルギー体質の方、肌が敏感な方、田舎移住を検討している方にはぜひ読んでほしい内容です。


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3軒目の移住先——地方都市近く農村部の築50年平屋

農地に囲まれた、静かな農村部

地方都市のそばにある農村部の、築50年の平屋です。300万円で購入しました。

周囲には広い田んぼと畑が広がり、JAと地域住民がきちんと農地を管理している地域でした。景色は抜群。静かで空気もきれいで、「ここで暮らすのも悪くないな」と思っていました。

春に購入、夏に引っ越し。秋・冬は古い家の掃除やリフォームをしながら、のんびりと生活が始まりました。

秋・冬は快適だった——はっさくと畦道を歩く日々

秋・冬の間は特に問題はありませんでした。

古い家特有の寒さ(隙間風や断熱材不足)はありましたが、掃除しながら少しずつ住みやすくなっていく感覚がありました。

はっさくと一緒に田んぼの畦道を散歩すると、遠くまで見渡せる景色が広がって、「移住して良かったな」と思える瞬間でした。

柴犬とお散歩

⇧朝日の昇るころ、はっさくとの散歩風景です🌞⇧

「田舎暮らし、意外といけるな」と二人と一匹、のんびり過ごしていました。

――この時は、あんな問題が起きるなんて、想像もしていませんでした…。


春になって異変が起きた――農作業シーズンの洗礼

トラクターの砂煙と農薬散布が毎日続く

春になると、農村部の風景が一変します。

田んぼや畑の農作業が本格的に始まるのです。畑を耕すトラクターが行き交い、猛烈な砂煙が舞い上がります。農薬の散布も始まります。これが毎日、ある一定期間続きます。

土煙を上げるトラクターのイラスト

地域の方々は長年この環境で暮らしているため、全く平気です。私も鼻水が出る程度で、大きな影響はありませんでした。

ところが――嫁さんには、この環境が合いませんでした。

アレルギー体質の嫁さんに症状が出始めた

嫁さんはもともとアトピーとアレルギーがあり、肌が敏感な体質です。

農作業シーズンに入ってから、肌の調子が崩れはじめました。「このまま続いたら、今までで一番ひどい状態になってしまうかもしれない…?」そう感じるほどの変化でした。

原因が農薬や粉塵にあることは、状況から見てかなり高確率。心配になって医療機関を受診したところ、医師からひと言。

皮膚科医
皮膚科医

う~ん、あなたはそんな環境で住んじゃあダメだよ!

…プロにそう言われてしまっては、もう迷いようがありませんでした。


二人で話し合い、1年で撤退を決めた

「来年の春も、同じことが繰り返される」

秋になり、嫁さんの体調は落ち着きました。

でも二人の頭には同じ考えがありました。「来年の春も、同じことが起きる」ということです。

地域住民の方が平気なのは、長年この環境で暮らしてきたからかもしれない。嫁さんの体質では、慣れるまでに相当な時間がかかるかもしれないし、慣れない可能性もある。そもそも身体に負担をかけながら暮らし続けることが、正しい選択なのか。

二人で話し合い、引っ越しを決断しました。

2軒目の山奥ハウスに戻ることにした

幸い、もともと住んでいた2軒目の「山奥ハウス」がまだ売れずに残っていました。そちらに戻ることにして、3軒目を売却へ。

結果的に購入価格を上回る金額で売却できたのは、不幸中の幸いでした。入居前にリフォームと清掃に手をかけていたこと、立地自体は悪くなかったことが、高く売れた理由だったと思っています。「田舎の安い物件は、失敗しても致命傷にならない」——そう実感した出来事でした。

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なお、この3軒目では農薬問題のほかに、移住支援係とのトラブルもありました。→【関連記事】市の移住支援係にマルチ商法を勧められた話


田舎移住で農薬アレルギーが出た――事前に確認すべきポイント

同じようなアレルギーを持つ体質の方が、同じ失敗をしないよう、私たちの経験をまとめます。

春・農作業シーズンに現地を訪れる

田舎移住の内見は春の農作業が始まっている時期に行くことをおすすめします。春以外の季節に「空気がきれい」と感じても、農作業シーズンは全く別の環境になります。

移住支援係や地域の方に周辺の農地の種類・農業スタイルを確認する

田んぼと畑では農薬の種類や量が異なります。また、農薬をほとんど使わない有機農業の地域もあります。移住前に地域の農業スタイルを確認することが大切です。

「アレルギーがあるのですが、春の農作業期間はどんな環境ですか?」と率直に尋ねてみましょう。地域の方は正直に教えてくれることが多いです。聞きにくければ、移住支援係に相談するのも一つの手です。

物件のそばに、広く植樹されたエントランスを持つ会社や工場がある場合も要注意です。毎年広範囲に除草剤を散布しているところもあります。引越しを決める前に、直接問い合わせて確認しておくと安心です。

短期滞在で実際の環境を体験する

可能であれば、農作業シーズンに短期滞在してみることが最善の確認方法です。民泊やゲストハウスを活用して、実際の環境を体験してから判断することをおすすめします。


「空気がきれい」だけで選ぶと失敗する――田舎の環境は一種類じゃない

田舎移住を考える多くの方が「自然豊か」「空気がきれい」という理由を挙げます。確かにそうです。でも田舎にも色々な環境があります。

環境タイプ主なリスク特に注意したい人
農業地域(田んぼ・畑)春(3~5月)以降の農薬・除草剤の散布、トラクターの土煙・粉塵、農繁期の騒音(早朝から機械音)、用水路の水の匂いアレルギー・アトピー・喘息持ちの方
山林・里山地域春(2~4月)の大量花粉(スギ・ヒノキ)、イノシシ・サル・シカ等野生動物の食害、山からの湧き水・湿気によるカビ、害虫(マムシ・スズメバチ・マダニ等)の出現花粉症の方、小さな子どもやペットがいる家庭
海ちか地域潮風・塩害(車・外壁・家電の劣化が早い)、強風、湿度が高くカビが発生しやすい、漁港ちかくは早朝から作業音と匂い持病で湿気に弱い方、車や設備にこだわりがある方
工業・企業施設ちか工場や企業エントランスの植栽に年1〜2回の大規模除草剤散布、排気・粉塵、大型車両の往来による騒音・振動アレルギー持ちの方、静かな環境を求める方

それぞれ環境が全く違います。自分の体質に合った環境を選ぶことが、田舎移住を長続きさせる一番の条件だと、私たちは身をもって学びました。


それでも、この移住は無駄じゃなかった

1年で撤退することになりましたが、後悔はしていません。

田舎の物件は都市部と比べて安いからこそ、「合わなければ動く」という判断ができます。合わない環境に無理してとどまる必要はない——それが私たちの移住哲学です。

この経験があったから、次の移住先を選ぶときに「農地の環境」という視点が加わりました。失敗は次の判断材料になります。

田舎移住を検討している方、特にアレルギーや肌の敏感な方は、ぜひ春の農作業シーズンに現地を訪れてみてください。それだけで、大きな失敗を防げるかもしれません。

ちくちくでした。

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