「見積もりでは20万円と言われたのに、最終的な請求が40万円になっちゃった…」
実家じまいの相談の中で、遺品整理の費用について、時々こうした声を聞くことがあります。悲しみの中で慌てて業者を決め、あとになって「なぜこんなに高いのか」「そもそも誰が払うべきものなのか」と戸惑う——そんなケースは珍しくないようです。
わたしは医療相談員だったころ、支援していたご家庭の親御さんが亡くなり、残されたお子さんから遺品整理やその後の対応について相談を受けたことがあります。経済的に余裕のないご家庭で、「費用は誰が、いくら払うのか」が切実な問題でした。その経験から、この分野はきちんと答えられるよう調べ続けてきました。
この記事では、遺品整理の費用は誰が払うものなのかという基本の考え方、一軒家の費用相場、そして「高額請求」と呼ばれるトラブルがなぜ起きるのか、見抜き方までを整理します。業者側の記事では触れにくい視点も含めて、中立の立場からお伝えします。

「誰が払うか」と「いくらかかるか」、実はセットで考えないと危ないっす🐾 まずは両方の基本を押さえるっすよ!
遺品整理の費用は誰が払う?——基本は「相続人」
遺品整理の費用は、故人の財産を引き継ぐ相続人が負担するのが一般的とされています。遺品の整理は、単なる物の片付けではなく、相続財産の管理・処分の一部と考えられているためです。
相続人が複数いる場合
相続人が複数いる場合は、法定相続分に応じて費用を分担するか、話し合いで負担割合を決めるのが一般的です。実際の現場では、次のような対応がよく見られます。
- 相続人同士で均等に費用を分け合う
- 法定相続分など相続割合に応じて金額を調整する
- 近くに住む相続人が一旦立て替え、あとで精算する
「誰がいくら出すか」に法律上の明確なルールがあるわけではないため、事前の話し合いが何より大切です。特に、遠方に住んでいて直接手伝えない相続人がいる場合、「手間を負担した人」と「費用だけ負担する人」の間で不公平感が生まれやすい点には注意が必要です。
相続放棄をする場合の注意点
故人に借金などマイナスの財産がある場合、相続放棄という選択肢もあります。ただし、ここで大きな注意点があります。価値のある遺品(貴金属、骨董品、高額な家電など)に手をつけて売却・処分してしまうと、「相続する意思がある」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があるとされています。
相続放棄を検討している場合は、遺品整理に着手する前に、故人の資産・負債の状況を確認し、必要であれば弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。相続放棄の期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内とされているため、判断を先延ばしにしすぎない注意も必要です。
一軒家の遺品整理費用の相場
費用の負担者が分かったところで、実際にいくらかかるのかを見ていきます。一軒家は部屋数が多く、庭や物置などの付帯スペースもあるため、マンションやアパートに比べて費用が高くなりやすい傾向があります。
| 間取り | 費用の目安 |
|---|---|
| 1LDK〜2DK(平屋など) | 6万〜30万円程度 |
| 2LDK〜3DK | 9万〜45万円程度 |
| 3LDK〜4DK | 15万〜60万円程度 |
| 4LDK以上 | 20万〜85万円程度 |
同じ間取りでも、荷物の総量・搬出のしやすさ・特殊清掃の有無などによって金額は大きく変わります。特に一軒家では、庭木や物置・納屋の中身が見積もり時に見落とされやすく、あとから追加費用が発生する原因になりがちです。訪問見積もりの際は、物置や2階の奥まで含めて業者と一緒に確認しておくことをおすすめします。
片付け全体の費用感や、実家じまい全体でかかる総額については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
あわせて読みたい:実家じまいの費用はいくら?内訳と安くする方法をケアマネが解説
なぜ「高額請求」が起きるのか——業者が言いにくい実態
業界の調査によると、見積もり額と最終的な請求額に差が出た経験がある人は約47.2%にのぼるとされています。中には20万円以上の大幅な増額事例も報告されています。ここでは、なぜこうしたことが起きるのか、その構造を整理します。
高額請求が起きやすいパターン
- 電話やメールだけで見積もりを済ませ、訪問調査をしなかった
- 物置・庭・2階など、見積もり時に確認していなかった場所から荷物が大量に出てきた
- 「一式〇〇円」という表示で、内訳が明確にされていなかった
- 作業当日に「追加料金が必要」と言われ、その場で判断を迫られた
共通しているのは、「見積もりの精度が低いまま契約してしまう」という点です。悲しみの中で冷静な判断をしにくい時期だからこそ、こうした構造につけこまれやすいとも言えます。
遺品整理で100万円かかることはある?
結論から言うと、100万円を超えるケースは実際にあります。ただし、それは物量が極端に多い大型の一軒家や、ゴミ屋敷状態、特殊清掃(孤独死の現場清掃など)を伴う場合が中心です。一般的な一軒家の遺品整理であれば、相場は先ほどの表の通り、多くは数十万円の範囲に収まります。
つまり、特殊な事情がないのに100万円前後の見積もりが出てきたら、その金額を鵜呑みにせず、必ず他社と比較してください。「うちは特殊なケースだからこの金額」と説明された場合も、その根拠(どの作業にいくらか)を書面で確認することが大切です。
業者側の記事が書きにくいこと
遺品整理業者が運営する記事の多くは、当然ながら「自社に依頼してほしい」という立場で書かれています。そのため、次のようなことは、業者側の記事では踏み込みにくい傾向があります。
- 「その見積もり、高すぎるかもしれません」という指摘
- 「一度契約しても、条件に納得できなければ断っていい」という背中押し
- 「業者に頼まず、自分たちである程度片付ける」という選択肢
医療相談員やケアマネとして、遺族側の立場で相談を受けてきた視点からお伝えすると、これらは決して特別なことではなく、費用や心の負担を減らすための、ごく当たり前の選択肢です。

「せっかく来てもらったから断りにくい」という声も時々聞きますが、契約前であればいつでも断って大丈夫です。悲しみの中で急いで決める必要はありません。
高額請求を防ぐためにできること
① 必ず訪問見積もりを依頼する
電話やメールだけの見積もりは、現地の物量を正確に反映できません。可能な限り、実際に家を見てもらったうえで見積もりを出してもらいましょう。
② 相見積もりを取る
1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか適正なのか判断できません。最低でも2〜3社から見積もりを取り、内訳や作業範囲まで比較することをおすすめします。
③ 「一式」表示の内訳を確認する
見積書に「一式〇〇円」としか書かれていない場合は、具体的な作業内容の内訳を確認しましょう。何にいくらかかっているかが分かれば、不要な項目を削る交渉もしやすくなります。
④ 物置・庭・2階まで見積もり範囲に含める
一軒家特有の追加費用が発生しやすいポイントです。見積もり時に業者と一緒に確認し、対象範囲を明確にしておきましょう。
⑤ トラブルになった場合の相談窓口を知っておく
契約後に不当な高額請求を受けた、キャンセルできないと言われたなど、トラブルに発展した場合は、消費生活センター(国民生活センター)に相談できます。一人で抱え込まず、早めに相談することをおすすめします。
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※見積もり依頼後、提携業者から電話で連絡が来ます。話を聞いて、納得できなければ断って大丈夫です。
費用を安く抑える方法
相見積もりのほかにも、費用を抑える工夫はいくつかあります。
- できる範囲は自分たちで片付け、業者に頼む範囲を絞る
- 貴金属・ブランド品・状態の良い家電などは買取に回し、整理費用から差し引いてもらう
- 繁忙期(引っ越しシーズンの2〜4月、年末)を避けて依頼する
- 平日など、業者の都合に合わせられる日程で依頼する
自分たちで片付ける場合の手順や、売れるもの・捨てるものの仕分け方は、こちらで詳しくまとめています。
あわせて読みたい:実家の片付けは何から?費用・業者・売れるものまでケアマネが解説
ただし、相続放棄を検討している場合は、価値のある遺品の売却・処分は避け、先に専門家へ相談してください。
よくある質問
相続人がいない場合、誰が費用を払いますか?
相続人がいない、または全員が相続放棄をした場合は、故人が賃貸に住んでいたケースでは連帯保証人が対応することがあります。連帯保証人もいない場合は、家庭裁判所が選任する相続財産清算人や、自治体・大家が対応するケースもあります。個別の状況によって異なるため、判断に迷う場合は自治体や専門家に相談してください。
見積もり後にキャンセルしても大丈夫ですか?
契約前の見積もり段階であれば、基本的にキャンセルは可能です。「せっかく来てもらったから」と遠慮する必要はありません。ただし、契約後のキャンセルには違約金が発生する場合があるため、契約書のキャンセル規定は事前に確認しておきましょう。
遺品整理費用は相続税から控除できますか?
遺品整理そのものの費用は、原則として相続税の計算上、遺産総額から差し引くことはできないとされています。葬式費用とは扱いが異なる点に注意してください。詳しくは税理士に確認することをおすすめします。
まとめ——「誰が払うか」と「いくらかかるか」は、事前にセットで確認を
- 遺品整理の費用は、基本的に相続人が負担する
- 相続放棄を検討している場合、価値のある遺品への着手には注意が必要
- 一軒家の相場は3LDKで15万〜60万円、4LDK以上で20万〜85万円程度が目安
- 見積もりと請求額に差が出た経験がある人は約47.2%。訪問見積もり・相見積もり・内訳確認が対策の基本
- 契約前のキャンセルは基本的に可能。断ることを遠慮しなくていい
遺品整理は、悲しみの中で冷静な判断がしにくい時期に、大きなお金が動く作業でもあります。だからこそ、「誰が払うか」「いくらが適正か」を事前に知っておくだけで、余計なトラブルを避けやすくなります。まずは相見積もりで、相場感をつかむところから始めてみてください。

断ってもいい、比べていい、それだけで結果は変わるっす🐾 焦らず一歩ずつ進めるっすよ!
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