「実家じまいって、結局いくらかかるの?」
親が施設に入り、誰も住まなくなった実家。いざ手放そうと動き出すと、まず気になるのがお金のことだと思います。
ケアマネ・医療相談員として介護とお金の現場を見てきた立場から、担当していたご家族の実家じまいに関する相談をされたことがあり、良いアドバイスができるよう勉強しましたが、「思っていたより費用がかかりそうで大変だ…」と知りました。
この記事では、実家じまいにかかる費用の総額の目安を早見表で整理し、「売る・解体して売る・とりあえず放置」のパターン別シミュレーション、費用は誰が払うのか、そして少しでも安く抑える方法まで順番にお話しします。金額はあくまで目安なので、実際の判断は必ず見積もりと専門家への相談で確認してください。

費用はまず「早見表」で全体像をつかむのが先決っす🐾 1個ずつ見ると高く感じるけど、全体で見ると対策も立てやすいっすよ!
実家じまいの費用は総額いくら?早見表で全体像をつかむ
実家じまいにかかる費用は、片付け・解体・登記・売却などを合わせると、状況によって数十万円から300万円超まで幅があります。まずは30坪程度の一般的な戸建てを想定した、項目ごとの目安を一覧にまとめます。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 片付け・不用品処分(自分で) | 数千〜数万円+交通費 | 手間と時間はかかる |
| 片付け・不用品処分(業者) | 戸建てで30〜80万円程度 | 物量・間取りで変動 |
| 解体工事(木造30坪) | 90〜150万円程度 | 立地・付帯物で60〜240万円の幅も |
| 相続登記(名義変更) | 登録免許税+司法書士報酬5〜15万円程度 | 登録免許税は評価額×0.4%が目安 |
| 売却時の費用 | 仲介手数料・印紙税など | 売却代金から支払える場合も |
数字だけを見ると身構えてしまいますが、すべての項目が全員にかかるわけではありません。「片付けて売るだけ」なら解体費はかかりませんし、売却できればその代金で費用の多くをまかなえるケースもあります。まずは「自分の実家はどのパターンか」を見極めることが大切です。
なお、費用は物量・立地・建物の構造・依頼する業者によって大きく変わります。金額はあくまで目安として捉え、実際は必ず複数社から見積もりを取って確認してください。
【パターン別】実家じまいの総額シミュレーション
実家をどうするかによって、総額は大きく変わります。代表的な3つのパターンで、ざっくりした総額のイメージを見てみましょう。
パターンA:片付けて「そのまま売る」
建物を残したまま売却する場合、解体費がかからない分、費用を抑えやすいパターンです。自分で片付けられれば数万円〜数十万円、業者に片付けを頼んでも、片付け+登記+売却費用で50〜200万円程度が目安になります。売却代金が入れば、実質的な持ち出しはさらに小さくなることもあります。
パターンB:「解体して更地にしてから売る」
古い家や傷んだ家では、更地にした方が売れやすいことがあります。ただし解体費が加わるため、業者片付け+解体+売却で150〜300万円超になることも珍しくありません。「更地にしたら固定資産税の軽減が外れて税負担が上がった」というケースもあるため、解体のタイミングは慎重に判断したいところです。
パターンC:「とりあえず放置」——実は一番高くつく
「決めきれないから、しばらくそのままに」という選択が、長い目で見ると一番お金がかかることがあります。誰も住まない家でも、固定資産税・都市計画税、火災保険、管理代行費(月8,000〜9,000円ほど)などが毎年かかり続けます。
さらに管理が行き届かず「特定空き家」「管理不全空き家」に指定されると、住宅用地の固定資産税の軽減が外れ、税額が最大で6倍近くに上がる可能性があります。放置のコストは目に見えにくいだけで、確実に積み上がっていきます。
あわせて読みたい:空き家を放置すると固定資産税が6倍に?特定空き家の仕組みと対策をケアマネが解説

担当していたご家族でも、「維持費くらい大したことない」と放置した結果、数年で数十万円が出ていっていた例がありました。放置は”見えない出費”がこわいんです。
費用の内訳をひとつずつ解説
総額のイメージがついたところで、それぞれの費用を少し詳しく見ていきます。
① 片付け・不用品処分の費用
家財や不用品の片付けは、自分で行うか業者に頼むかで金額が大きく変わります。自分で行う場合は、ごみ処分手数料・レンタカー代・交通費などで数千〜数万円程度に収まることが多いです。業者に依頼する場合は、間取りや物量に応じて、戸建てで30〜80万円程度が目安になります。物があふれた状態や特殊清掃が必要な場合は、100万円を超えることもあります。
片付けの具体的な費用感・業者の選び方・売れるものの見分け方は、こちらで詳しくまとめています。
あわせて読みたい:実家の片付けは何から?費用・業者・売れるものまでケアマネが解説
② 解体工事の費用
解体費は建物の構造で変わり、木造で坪あたり3〜4万円程度が目安とされています。30坪の木造住宅なら90〜150万円程度が中心ですが、隣家との距離が近い・庭木や塀などの付帯物が多いといった条件では、60〜240万円と大きく幅が出ることもあります。解体費を安く抑える方法や補助金は、別記事で詳しく扱っています。
あわせて読みたい:空き家の解体費用と補助金——相場・申請方法・固定資産税の注意点
③ 相続登記(名義変更)の費用
売却や解体を進めるには、家・土地の名義を相続人へ変更する相続登記が必要です。登記には登録免許税(固定資産税評価額の0.4%が目安)がかかり、司法書士に依頼する場合は報酬として5〜15万円程度が加わることがあります。
2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります(出典:法務局)。田舎の家は名義が何代も前のままになっていることも多いので、早めの確認が安心です。
あわせて読みたい:固定資産税の名義人が死亡したままにしていると起きること——相続登記と売却の手順
④ 売却にかかる費用
実家を売却する際は、不動産会社へ支払う仲介手数料(売買価格400万円超の場合、売買価格×3%+6万円+消費税が上限の目安)や、契約書に貼る印紙税などがかかります。売買価格800万円以下の空き家などでは、特例で仲介手数料の上限が最大33万円(税込)になる場合もあります。境界が不明確な土地では測量費(35〜80万円程度)が必要になることもあります。詳しい税額は国税庁の資料や不動産会社で確認してください。
実家じまいの費用は誰が払う?——きょうだいで揉めやすいポイント
費用と同じくらい相談が多いのが、「この費用、誰が払うの?」という問題です。
基本的には、家・土地を相続した人(片付けや処分を担う人)が費用を負担するのが一般的です。相続人が複数いる場合は、法定相続分に応じて分担したり、話し合いで決めたりします。ただ、現場で多いのは「近くに住む長男・長女に負担が偏る」「立ち会いや手続きの手間まで一人にのしかかる」というケースです。
お金だけでなく、手間や時間も”見えないコスト”です。誰が何をどこまで負担するのかを、早い段階で家族の間で共有しておくと、後のトラブルを避けやすくなります。

揉めるのはたいてい「お金そのもの」より、”手間の偏り”への不満からでした。費用と役割は、早めに全員で分けておくのがおすすめです。
実家じまいの費用を安くする5つの方法
まとまった金額がかかる実家じまいですが、工夫次第で負担を減らせます。現場で効果があった方法を5つ紹介します。
① できる範囲は自分で片付ける
思い出の品や軽い衣類・日用品の仕分けは自分で行い、重い家具や大量の処分だけ業者に頼む——この”分担”だけでも片付け費用はかなり抑えられます。無理のない範囲で進めましょう。
② 相見積もりを必ず取る
片付けも解体も、業者によって金額が大きく違います。最低でも2〜3社から相見積もりを取り、作業範囲・追加料金の有無まで比較すると、適正価格に近づけます。「一式」表示の見積もりは、内訳を確認しておくと安心です。
③ 使える補助金・特例を確認する
老朽危険空き家の解体補助金や、相続空き家を売ったときの3,000万円特別控除など、条件が合えば負担を減らせる制度があります。ただし条件は細かく、申請は工事前が原則です。使える制度は次の記事にまとめています。
あわせて読みたい:実家じまいに補助金は使える?解体・片付け・売却で使える制度まとめ
④ 家電・家具の買取で費用を相殺する
まだ使える家電や家具、骨董品などは、処分ではなく買取に回すと、片付け費用の一部を補填できます。処分費を払って捨てるものが、逆にお金に変わることもあります。
⑤ 売却代金で費用を相殺する
最終的に家が売れれば、その代金で片付け・登記・解体などの費用をまかなえることがあります。田舎の家や訳あり物件で「仲介では売れない」という場合も、専門の買取業者なら現状のまま相談できることがあります。まずは無料査定で、いくらで手放せそうかを知っておくと、資金計画が立てやすくなります。
\ 売れない田舎の家、まず無料査定だけでも /
片付け業者選びに迷ったら、一括見積もりサービスを使うのも一つの方法です。見積もりを申し込むと、後日、提携業者から電話で連絡が来ます。「本当に頼むかどうかは、話を聞いてから決めればOK」という気持ちで、まずは無料見積もりだけ試してみるのがおすすめです。
\ 電話で相談しながら決められる /
実家じまいの費用に関するよくある質問
マンションの実家じまいでも費用はかかりますか?
マンションは解体がない分、費用は戸建てより抑えやすい傾向があります。ただし片付け費用や相続登記費用はかかり、売却まで時間が空くと管理費・修繕積立金が毎月発生し続ける点に注意が必要です。空室でも支払い義務は残るため、方針は早めに決めるのが安心です。
実家じまいはどれくらいの期間がかかりますか?
片付けだけなら数日〜数週間ですが、相続手続き・売却・解体まで含めると、半年〜1年以上かかることも珍しくありません。遠方で通いづらい、物量が多い、きょうだいの予定が合わないといった事情が重なると、さらに長引きます。期間に余裕を持って計画するのがおすすめです。
費用を払うお金がない場合はどうすれば?
まとまった費用がすぐに用意できない場合でも、放置は税負担やリスクが積み上がるためおすすめできません。売却代金で費用をまかなう、家電・不用品の買取を活用する、使える補助金を確認する、といった方法で持ち出しを減らせないか検討してみてください。売却の見込みを先に知っておくと、資金の目処が立てやすくなります。判断に迷うときは、不動産会社や専門家に相談してみましょう。
まとめ——費用は「先に把握」しておくと動きやすい
- 実家じまいの総額は、状況により数十万円〜300万円超と幅がある
- 主な費用は「片付け・解体・相続登記・売却」の4つ
- 「そのまま売る<解体して売る」の順で費用は上がるが、放置が一番高くつくことも
- 費用は家を相続した人が負担するのが基本。役割分担は早めに家族で共有を
- 自分で片付け・相見積もり・補助金・買取・売却代金で負担は減らせる
- 金額は目安。実際は見積もりと専門家への相談で必ず確認を
実家じまいの費用は、まとまった金額に見えて不安になりがちです。でも、総額の内訳と「どこを抑えられるか」を先に知っておけば、慌てずに計画を立てられます。まずは早見表で全体像をつかみ、売却できそうかどうかの無料査定から始めてみてください。

費用は”こわいもの”じゃなく、”先に分かれば対策できるもの”っす🐾 まずは全体像と査定からいくっすよ!
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