ケアマネジャーをしていると、介護費用について説明することが多いのですが、支出に関して利用者さんのご家族から悩みを聞くこともしばしばあります。
先日も、利用者さんの介護者から、「遠方の親族の空き家を解体してすっきりしたと思ったら、翌年から固定資産税がぐんと上がって大変」という話を伺いました。

「解体したのになぜ高くなるの?」「減免制度はないの?」——そんな悩みを解決できないかと、調べてみました。多くの人にも起こりうるケースなので、整理してお伝えします。

「解体してすっきりしたのに税金が上がった」って、知らないとびっくりするっすよね🐾 仕組みを知っておくだけで全然違うっすよ!
空き家を解体すると固定資産税が上がる理由
まずここを知っておく必要があります。
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、土地の固定資産税が軽減されています。たとえば小規模住宅用地では、課税標準額が6分の1になる仕組みがあります。
ところが、建物を解体して更地にすると、この住宅用地の特例が外れることがあります。その結果、土地の固定資産税が以前より高くなり、体感として約3〜6倍に増えるケースもあります。
| 状態 | 住宅用地の特例 | 固定資産税 |
|---|---|---|
| 建物あり(住宅用地) | 適用される | 最大6分の1に軽減 |
| 更地(解体後) | 適用されない | 軽減なし(3〜6倍になる) |
| 特定空き家に指定・勧告された場合 | 外れる | 建物があっても更地と同じ扱い |

「建物がなくなれば税金も下がるはず」と思いがちですが、住宅用地の特例が外れると、土地の固定資産税は上がることがあります。解体前にこの仕組みを知っておくことが大事です。

相談者さんのご親族も「解体したら楽になると思っていた」と言っていました。こういう仕組みを知らないまま解体してしまうケースは多いと思います。
あわせて読みたい:空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?2023年改正で対象が広がった理由
それでも解体した方が良いケース——放置空き家のリスクもある
「解体すると固定資産税が上がるなら、そのまま置いておけばいい」と思うかもしれません。
ただし、古い空き家を放置することにもリスクがあります。屋根や外壁が傷んでいる、草木が伸び放題、倒壊のおそれがある、近隣に迷惑をかけている。こうした状態が続くと、自治体から「管理不全空家」や「特定空家」と判断されることがあります。

さらに、自治体から改善を求められても対応せず、勧告を受けると、建物が残っていても住宅用地の特例が外れる場合があります。つまり、解体していないのに固定資産税の負担が重くなる可能性があるということです。
また、倒壊や近隣トラブルの危険が大きい場合は、行政代執行によって解体され、その費用を所有者に請求されることもあります。
「税金が上がるから解体しない」と単純に考えるのではなく、放置するリスク、解体費用、解体後の固定資産税をあわせて考えることが大切です。
解体後の固定資産税が減免される制度はあるか
「解体後の固定資産税を減らせる制度はないの?」と思う方もいるはずです。調べてみると、自治体によっては、老朽空き家の解体後に固定資産税を減免・猶予する独自制度を設けていることがあります。
たとえば老朽危険家屋を解体した場合に、一定期間固定資産税を減額または猶予する制度がある自治体もあります。ただしこれは国の制度ではなく各自治体の独自制度のため、あるかどうかは自治体次第です。
なお、解体や売却を考える前に「名義が親のままになっていないか」の確認も大切です。名義人が亡くなったまま放置するとどうなるかは、こちらで解説しています👉 名義人が死亡した家の固定資産税はどうなる?
減免制度の調べ方
「お住まいの市区町村名と、空き家 解体 固定資産税 減免」で検索してみてください。自治体の公式サイトに制度が掲載されていることがあります。
検索で見つからない場合は、市区町村の税務課または空き家対策窓口に直接電話で問い合わせるのが確実です。
📝 減免制度を使う場合も、解体前に申請が必要なケースがほとんどです。先に解体してしまうと適用外になることがあるので、必ず事前に確認してください。
「売るなら更地に」は本当にお得?解体前に立ち止まりたいこと
ここまで「解体すると税金が上がる」「放置にもリスクがある」とお伝えしてきましたが、実家を売ることを考えている場合、もうひとつ迷うポイントがあります。それが「更地にしてから売るか、建物を残したまま売るか」です。
結論から言うと、これは家の状態や地域によってケースバイケースで、「更地にした方が得」と言い切れる場面はかなり限定的です。慌てて解体する前に、一度立ち止まって考える価値があります。
更地にしてから売った方が良いことが多いケース
- 建物の老朽化が激しく、買主がほぼ確実に解体すると見込まれる場合(倒壊のおそれ、雨漏りやシロアリ被害がひどいなど)
- 周辺エリアが「土地として売買されるのが当たり前」の地域(新築前提の買主が多い分譲地エリアなど)
- 庭が荒れていたり残置物が多かったりして、建物があることでかえって印象が大きく下がってしまうケース
更地にする前に、あらためて知っておきたいこと
- ここまでお伝えした通り、固定資産税が上がること(3〜6倍になることもある)
- 解体費用が数百万円単位でかかり、その分手元に残るお金が減ってしまうこと
- 更地にしたのに買い手がつかず、税負担だけが重くなった状態が続いてしまうこともあるということ
実際に「親の家を更地にしたら、2年経っても売れず、税金だけ増えてしまった」というケースも見聞きします。急いで解体するのではなく、まず「本当に売れる見込みがあるか」を確認してからでも遅くはありません。
迷ったら、まず査定を取ってから考える
建物が多少古くても、リフォーム前提で探している買主もいます。「解体する体力もお金もない」という場合は、建物を残したまま売りに出し、価格交渉の中で解体費用分を差し引いてもらう、という方法も現実的です。
なお、一定の条件を満たす相続空き家を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例制度もあります。ただし建物の築年数や耐震性、売却までの期限など細かい条件があり、更地にするタイミングによって使える・使えないが変わることもあります。この特例が使えるかどうかは、自己判断せず、必ず税理士に確認してから解体を決めることをおすすめします。
「更地にするかどうか」で迷ったら、不動産会社に「建物付きのまま」と「更地にした場合」それぞれの想定価格を聞いてみるのが、一番確実な判断材料になります。

「とりあえず更地にすれば売れるだろう」と急いでしまう方も多いのですが、先に査定だけ取っておけば、余計な解体費用をかけずに済んだかもしれない、というケースもあります。解体は一度やり直しがきかないので、慎重に判断したいところです。
\ 更地にする前に、まずは売却査定を /
解体を検討するなら、まず複数社で見積もりを
固定資産税や減免制度を確認したうえで解体する方向になったら、次に大事なのは業者選びです。解体費用は、建物の大きさ、立地、残置物の量、重機が入れるかどうかで大きく変わります。
一社だけの見積もりだと、高いのか安いのか判断しにくいです。できれば複数社で見積もりを取り、金額だけでなく、追加費用の有無や対応範囲も比べておくと安心です。

\ 解体費用を1円でも安くしたいなら /

建て替えを前提にした解体であれば、同時に地域の工務店に相談するのも良いかもしれませんね。
まとめ——解体と固定資産税、知っておくべき3つのこと
- 空き家を解体して更地にすると「住宅用地の特例」が外れ、固定資産税が3〜6倍になる
- 特定空き家に指定・勧告されると、建物があっても特例が外れる——放置にもリスクがある
- 自治体によっては解体後の固定資産税を減免する独自制度がある——解体前に必ず確認する

解体する前に自治体に一本電話するだけで、損を防げることがあるっすよ🐾 まず確認だけでもやってみるっす!
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