「親が亡くなったけど、実家の名義がそのままになっている」
「固定資産税の納付書が届いているけど、誰が払えばいいのかわからない」
田舎の家を相続した方から、こういった話を聞くことがあります。
わたし自身、三件目の築50年以上の古民家を購入したとき、売主さん側の相続手続きが終わっておらず、契約まで数か月待ったことがありました。
売主さんからは「亡くなった祖父の名義のままで、相続や名義変更の手続きに時間がかかってしまいました。お待たせしてすみません」と言われました。
わたしは急いでいなかったので待てましたが、もし別の買い手だったら、その間に話が流れていたかもしれません。
田舎の家は、買い手がすぐに見つかるとは限りません。だからこそ、名義を亡くなった方のまま放置していると、「売りたいときに売れない」「手続きが複雑になる」「場合によっては過料の対象になる」といったリスクがあります。
この記事では、固定資産税の名義人が亡くなったままになっている場合にどうなるのか、相続登記の流れ、費用の目安、売却や買取を考えるときの注意点をまとめます。

「そのうちやればいいか」で後回しにしてると、売りたいときに動けなくなるっす🐾 2024年からは義務化もされてるっすよ!
固定資産税の名義人が死亡したまま放置するとどうなるか

固定資産税の請求は止まらない
家の名義人が亡くなっても、固定資産税の請求そのものは止まりません。
相続登記が終わっていない場合でも、その家や土地を相続した人には固定資産税を負担する可能性があります。相続人が複数いる場合は、自治体から「相続人代表者」を決めるよう案内が来たり、代表者あてに納付書が届いたりすることがあります。
ここで注意したいのは、納付書が一人に届いたとしても、「その人だけの問題」ではないことです。相続人同士で話し合いができていないと、誰が払うのか、あとで精算するのかで揉める原因になります。
結局、誰が払うのか?——相続人全員に「連帯納付義務」がある
結論から言うと、相続人全員に納める義務があります。固定資産税は、相続人がそれぞれの相続分だけを別々に払うのではなく、相続人全員が連帯して全額を納める「連帯納付義務」という形になるとされています。
そのため、納付書が一人に届いたとしても「その人だけが払えばいい」わけではありません。誰がいくら負担するのかは、相続人どうしの話し合いで別途決めておく必要があります。ここを曖昧にしたままだと、あとで「立て替えた分を返してほしい」というトラブルになりがちです。
市区町村から「現所有者申告書」が届くことがある
あまり知られていませんが、登記簿上の名義人が亡くなって相続登記が済んでいない場合、市区町村が「実際に今その家を持っている人(現所有者)」に対して、氏名・住所などの申告を求める制度があります(現所有者申告制度)。
申告の期限や様式は自治体によって異なりますが、正当な理由なく提出しないと過料の対象になる場合があるとされています。納付書とあわせてこうした書類が届いたら、放置せず役所の資産税課に確認するのが安全です。
2024年から相続登記が義務化。放置すると過料の可能性も
2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。
不動産を相続で取得したことを知った日から、原則3年以内に相続登記をする必要があります。正当な理由なく放置した場合、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
しかも、この義務化は2024年4月1日より前に発生した相続にも関係します。すでに相続しているのに登記が終わっていない不動産については、原則として2027年3月31日までに対応が必要です。

「知らなかった」では済まなくなりました。特に田舎の古い家は、何代も前から名義変更していないケースがあります。早めに確認しておくことをおすすめします。
放置すると「売りたいときに売れない」リスクがある
わたしが古民家を購入したとき、売主の方は亡くなった祖父の名義のままで相続・名義変更の手続きに数か月かかりました。「お待たせしてごめんなさい」と言われましたが、その間に買い手が変わっていたら売り時を逃していたかもしれません。
田舎の物件は買い手が少なく、タイミングがずれると次の買い手が現れるまで数年かかることもあります。「売りたい」と思ったときにすぐ動けるよう、名義は早めに整理しておくことが重要です。
あわせて読みたい:親の土地に家を建てるときも、名義の確認は建てる前が肝心です→ 親の土地に家を建てると起きること——同敷地内の空き家問題と後悔しないための順番
固定資産税を滞納し続けると、最終的に差押えもありえる
名義人が亡くなっても税の請求は止まりません。「名義が親のままだから、自分には関係ない」と思って払わずにいると、督促状が届き、延滞金が上乗せされ、最終的には財産調査のうえで不動産が差し押さえられ、公売にかけられる可能性もあります。
「相続するか決めていないから払わない」ではなく、まずは納付や相談だけでも動いておくことが大切です。

放っておくのが一番こわいっす🐾 差押えまでいく前に動くっすよ!
相続登記(名義変更)の手続きと費用の目安

必要書類と手続きの流れ
相続登記の手続きは、法務局(登記所)に申請します。主な必要書類は以下の通りです。
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺産分割協議書(相続人が複数いる場合)
- 相続人全員の印鑑証明書
- 固定資産税評価証明書
相続人が少なく、話し合いもまとまっている場合は、自分で申請できることもあります。ただし、古い田舎の家では、相続が何代も前で止まっていたり、相続人が増えていたりして、書類集めだけでかなり大変になることがあります。
不安がある場合は、無理せず司法書士に相談した方が早いです。特に、相続人が多い、遠方に住んでいる人がいる、昔の名義のままになっている場合は、専門家に確認することをおすすめします。
費用の目安
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 登録免許税(固定資産税評価額×0.4%) | 数千円〜数万円 |
| 戸籍収集費用(実費) | 数千円〜1万円程度 |
| 司法書士報酬(依頼する場合) | 5〜15万円程度 |
田舎の安い物件でも、司法書士に依頼すれば合計で10万円前後かかることが多いです。費用は物件の評価額や相続人の人数によって変わります。
あわせて読みたい:相続放棄した家の解体費用はいくら?放棄・維持・解体・売却の費用を比較します
名義変更せずに売却・買取はできるか
「相続登記が終わっていなくても、先に売却できないか」と思う方もいると思います。
結論から言うと、相続登記なしでも売却活動を始めることはできます。ただし、実際に売買契約を結んで所有権を移転するには登記が必要になります。つまり、売却活動と並行して登記手続きを進めることが現実的です。
また、不動産買取業者に相談する場合は、名義変更の手続きをサポートしてくれるケースもあります。「手続きが複雑で売れない」と諦める前に、一度相談してみてください。

「手続きが面倒だから売れない」じゃなくて、買取業者に相談すると意外とスムーズに動けることがあるっすよ🐾
田舎の家は、仲介より買取が現実的なケースもある

相続登記を済ませても、田舎の古い家はすぐに売れるとは限りません。
地方の中古住宅や空き家は、そもそも買い手が少ないです。仲介で売りに出しても、問い合わせがほとんど来なかったり、売れるまで数年かかったりすることもあります。
その間も、固定資産税、草刈り、換気、雨漏り確認、近所からの連絡対応など、地味な負担は続きます。
「少しでも高く売りたい」なら仲介が向いています。一方で、「早く手放したい」「遠方で管理できない」「修繕するお金をかけたくない」という場合は、不動産買取も選択肢になります。
買取は仲介より価格が下がることが多いですが、買い手を探す時間を短くできるのがメリットです。売れないまま維持費だけ払い続けるより、早めに手放した方が結果的に楽になるケースもあります。

わたしも4件、中古住宅を売買してきましたが、複数の不動産業者に相談したことで相場を学び、適正と思える価格で売買できました。
一社だけに任せるより、複数に相談する方が選択肢が広がります。
\ 名義や売却で困っている田舎の家、まず相談だけでも /
よくある質問【Q&A】
Q. 相続放棄すれば、固定資産税は払わなくていい?
相続放棄をすれば、その不動産の納税義務はなくなります。ただし、相続人全員が放棄した場合でも、次の管理者が決まるまでは管理責任が残るケースがあり、家がなくなるわけではありません。放棄と維持・解体・売却の費用を比べたうえで判断するのがおすすめです。詳しくは相続放棄した家の解体費用はいくら?でまとめています。
Q. 兄弟で相続しました。固定資産税は誰が払うのですか?
兄弟全員に連帯して納める義務があります。実務では、代表者を決めて納付書を受け取り、負担割合を話し合って精算する形が多いです。誰が住む・誰が売る・誰が管理するのかと合わせて、早めに決めておくと揉めにくくなります。
Q. 相続登記をしないと、本当に罰則がありますか?
2024年4月から相続登記は義務化され、正当な理由なく期限内に登記しないと10万円以下の過料の対象になる場合があるとされています。過去の相続分についても原則2027年3月31日までの対応が必要です。
Q. 評価額が低い田舎の家でも、名義変更に費用はかかりますか?
かかります。登録免許税は安く済んでも、戸籍の収集費用や、司法書士に依頼する場合の報酬が発生します。安い物件でも、依頼すれば合計で10万円前後になることが多いです。
Q. 名義変更が終わっていなくても売れますか?
売却活動を始めることはできますが、実際に所有権を買主へ移すには相続登記が必要です。売却と並行して登記を進めるのが現実的で、買取業者によっては名義変更のサポートをしてくれる場合もあります。
まとめ——名義人が亡くなったままの家は、早めに確認しておこう
- 家の名義人が亡くなっても、固定資産税の請求は止まらない
- 相続人が複数いると、誰が払うかで揉めることがある
- 2024年4月から相続登記が義務化され、原則3年以内の手続きが必要
- 2024年4月より前の相続でも、未登記なら原則2027年3月31日までに対応が必要
- 名義変更が終わっていないと、売りたいときに売れないリスクがある
- 手続きが複雑な場合は、司法書士や不動産会社に早めに相談する
- 売れない場合は不動産買取サービスも選択肢のひとつ
→ 売れない・困った不動産はワケガイに無料相談(訳あり物件OK)
田舎の家は、「いつか考えよう」と思っているうちに、草刈り、固定資産税、雨漏り、近所からの連絡など、少しずつ負担が増えていきます。
すぐに売る予定がなくても、名義が誰になっているか、相続人は誰か、固定資産税は誰が払っているかだけでも確認しておくと、あとで慌てずに済みます。

「そのうちやろう」が一番危ないっす🐾 売り時を逃す前に、まず現状確認だけでもやっておくっすよ!
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