「売れない土地の固定資産税を払い続けているので、生活費や介護費用の捻出が大変…」
ケアマネジャーとして働いていると、こういうお金に関する悩みを聞くことがあります。親が施設に入ることになり、住んでいた土地を売ろうとしたら、不動産屋に「この土地は家を建てられないので、0円でも売れません」と言われた——。家を建てたまま固定資産税を払い続け、最後は相続放棄するしかないかなぁ、と。
でも、本当にそれしか方法がないのだろうか?独自で調べてみたところ、1社に断られただけで諦めるのは早い!と言うことが判りました。
この記事では、なぜ売れない土地でも固定資産税が下がらないのか、そして売れないと言われた土地を手放すための選択肢を、田舎の中古住宅を4回売買してきた経験とケアマネの視点からまとめます。

「売れない」「払い続けるしかない」は、1社の意見にすぎないことも多いっす🐾 打つ手はまだあるっすよ!
なぜ売れない土地でも固定資産税は下がらないのか
「買い手がつかない=価値がない」のに、なぜ固定資産税はかかり続けるのか。理不尽に感じますよね。
固定資産税は、市場で売れるかどうかではなく、固定資産税評価額という別の基準で計算されます。これは路線価などをもとに自治体が決める評価額で、「実際に買い手がつくか」とは連動していません。だから、現実には0円でも売れない土地でも、評価額がゼロでない限り固定資産税はかかり続けます。
さらに、家が建っている土地は「住宅用地の特例」で税が軽減されています。だからこそ「家を残したまま払い続ける」という選択になりがちですが、これは家の管理コストも同時に背負い続けることを意味します。

「売れないのに税金だけ取られる」のは、評価の仕組みが市場価格とは別だからです。納得しづらいですが、だからこそ早めに手放す方法を探す価値があります。
1社に「売れない」と言われても諦めない
「家を建てられない土地」と一口に言っても、理由はさまざまです。
- 市街化調整区域(原則、新たに家を建てられないエリア)
- 再建築不可(接道義務を満たさず、建て替えができない)
- 借地(土地が他人のもので、建物だけ所有している)
理由によって打てる手は変わります。そして重要なのは、不動産屋によって扱える物件・知っている買い手が違うということです。
わたし自身、所有していた家を売却したとき、複数の不動産業者に相談しました。すると業者によって提示額がまったく違い、最終的に地域密着の不動産屋による仲介売却で一番高い値で売却できました。大手では「扱えない」「高くは買えない」と言われた条件でも、地場の業者は地元の買い手や使い道を知っていることがあります。
1社に断られたら、最低でも3社、できれば地場の業者を含めて当たってみてください。
売る以外の「手放し方」もある
隣地の人に打診する(一番現実的)
意外と現実的なのが、隣の土地の所有者に打診することです。隣地の人にとっては、自分の土地が広がる・日当たりや出入りが良くなるなどのメリットがあり、第三者には売れない土地でも買ってもらえることがあります。安く譲る・無償で引き取ってもらう形も含めて相談する価値があります。

自分たちが田舎の山奥一軒家を購入した時に、少し離れた不要な土地もついでに付けると言われて、断ったことがあります。結局空き地の隣の家の人に引き取ってもらっていましたね。
自治体への寄付・空き家バンクを打診する
自治体に寄付を打診する方法もあります。ただし自治体は「使い道のない土地」の寄付は受け付けないことが多く、ハードルは高めです。あわせて、自治体の空き家バンクに登録して、移住者など新しい買い手を探す手もあります。
貸す(資材置き場・農地・駐車場など)
売れなくても、貸せることはあります。資材置き場・駐車場・家庭菜園用の土地など、用途によっては借り手が見つかることも。固定資産税を上回る賃料が得られれば、維持しながら収支をプラスにできます。

自分たちも耕作放棄地が家の周りにあり、遠方で管理も大変だからと、除草作業などの管理をする代わりに、無償で畑として使わせてもらっています。
訳あり物件専門の買取という選択肢
一般の不動産屋に「売れない」と言われた土地でも、訳あり物件を専門に扱う買取業者なら対応できることがあります。
市街化調整区域・再建築不可・共有持分・古家付きなど、通常の仲介では敬遠される物件を専門に買い取る業者です。一般的な相場より価格は下がりますが、「固定資産税を払い続ける」「管理し続ける」状態から抜け出せるなら、トータルでは得になるケースもあります。
まずは「いくらで引き取ってもらえるのか」を無料査定で確認するだけでも、判断材料になります。

「払い続けるしかない」と諦める前に、訳あり物件専門の業者に査定だけ出してみる価値はあります。無料査定なら、結果を見てから判断できます。
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「相続土地国庫帰属制度」——いらない土地を国に返す新制度
2023年4月から、相続した土地を国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」が始まりました。「相続した使わない土地を手放したい」というニーズに応える新しい制度です。
ただし、誰でも・どんな土地でも使えるわけではありません。主な注意点はこちらです。
- 建物が建っている土地は対象外(先に解体が必要)
- 担保や権利が設定されている土地は使えない
- 境界が不明確・争いがある土地は使えない
- 承認されても「負担金」(10年分の管理費相当)の納付が必要
要件が厳しく、特に「建物があると使えない」点は、家が残っている今回のようなケースではハードルになります。それでも選択肢のひとつとして知っておく価値はあります。利用を検討するなら、法務局や専門家に相談してください。
最後の手段としての相続放棄——安易に選ばない
「もう相続放棄するしかない」と言われることがありますが、相続放棄は慎重に判断すべきです。
相続放棄をすると、その土地の納税義務はなくなります。しかし、放棄は「いらない土地だけ」を選んで捨てることはできません。預貯金・他の不動産・有価証券など、プラスの財産もすべて放棄することになります。土地の固定資産税を逃れるために放棄したら、相続できたはずの預金まで失う——そんな事態になりかねません。
また、相続人全員が放棄した場合でも、次の管理者(相続財産清算人)が決まるまでは管理責任が残るケースがあります。「放棄すれば全部終わり」ではない点に注意が必要です。
相続放棄を検討するなら、必ず司法書士や弁護士に相談し、財産全体を見たうえで判断してください。
あわせて読みたい:相続放棄した家の解体費用はいくら?放棄・維持・解体・売却の費用を比較します

相続放棄は「土地だけ捨てる」ことはできないっす🐾 預金も全部手放すことになるから、専門家に相談してから決めるっすよ!
まとめ——「払い続けるしかない」と諦める前に
- 固定資産税は市場価格ではなく評価額で決まるため、売れない土地でもかかり続ける
- 1社に「売れない」と言われても、複数業者・地場業者に当たる
- 隣地への打診・自治体への寄付・貸す、という売却以外の手もある
- 訳あり物件専門の買取業者なら対応できることがある
- 相続土地国庫帰属制度は要件が厳しいが、選択肢のひとつ
- 相続放棄は他の財産も全部放棄になる。専門家に相談してから判断する
「売れない土地の固定資産税を払い続けるしかない」というのは、多くの場合、1社の意見にすぎません。打てる手はいくつもあります。一つずつ当たってみてください。

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